アルーンコンシャスタッチは、タッチを媒介に、全てを観ていきます。
タッチをする人も、受けとる人も、その瞬間に起こることを何であれ、そのまま感じていきます。
痛み、とろけるような心地よさ、滞り、エネルギーの流れ、浮上する考え、記憶、そして感情。
アルーンでは、からだにとどまっている感情にことさら注目したり、
それを引き出そうとすることはしません。
けれど、自然に現れ出てくる感情はそれもまた、ただ受けとめて、ともにいます。
ある年の妙高高原リトリートでのこと。
講師カマラとともに、パートナーのスペイン人医師プラナーダが参加していました。
彼も古くからのアルーンティーチャー。
ふたりはスペインで、アルーンのグループをともにシェアしています。
カマラがアンワインディングのデモを見せてくれた時、
モデルになったプラナーダが、背中に触れ始めてほどなく、
突然、笑い始めました!
カマラが「大丈夫?」と声をかけると「ただ笑いが起こっているんだ」とプラナーダ。
長い年月をアルーンとともに生きるプラナーダ(そして感情表現豊かなスペイン人!)。
からだの中で起こることにとても繊細で、オープン。
そのままに感じ、表現することも止めません。
そしてタッチが首へと進むなか、
笑いは涙、嗚咽に変わっていきました。
カマラは静かにそれを見守ります。
「感情が出てきたら、ただ、受け入れましょう。
それをホールドしないで、観照者でいます。
触れている人も、触れられている人も、起こっていることと、ただ、ともにいます。」
さまざまな感情が起こり、そして過ぎ去っていきます。
セッションを終えたプラナーダは
「笑いがやってきて、涙に変わり、それが去った後には深い静寂があった。
まるでミスティックローズのようだった」。
ほんの20分ほどの間の出来事。
これも、アルーンで起こることの一部。
愛に溢れて、とても印象的な、私にとって忘れられない場面です。
あなたの感情。
何か、感情がやってきたとき、それを観てみましょう。
抑圧したり、無視したりすることなく、
かと言って、それに飲み込まれて、同一化するのではなく、誰かにぶつけるのでもなく、
ただ、観る。ともにいる。
そうすると、何が起こっていくか。それをまた、観ています。