触れる、触れられる、というのはとても興味深いプロセスです。
今日はタッチのマジックについて、書いてみます。
あなたが触れているとき、なにが起っているでしょう?
もし可能なら、今、どちらかの手のひらで、体のどこかに触れてみてください。
太ももあたりとか。もし難しければ、おなかでも、ハートでもどこでもいいですよ。
私は今、太ももの、膝に近いあたりに触れてみました。
肩や胸を楽にして、ゆったりと呼吸をして、できるだけ手のひらをくつろがせて。
触れている場所の複雑なシェイブに沿うように、
そこにやわらかくなったバターが溶けて覆っていくかのように。
触れている所を掌に合わせていくのではなくて、そのユニークなありように掌を添わせていきます。
今あなたが触れている所はどんな風ですか?
硬いですか?やわらかいですか?
冷たい?あたたかい?
今、ここにある感覚をただ受け取ります。
そして面白いことに、私たちは今、太ももに触れていますが、
同時に、太ももから触れられている、と言うこともできます。
感覚の向きを逆にしてみましょう。
あなたの手のひらは、太ももから、触れられています。
太ももに接している手のひらの感覚に意識を向けて、
太ももが手のひらに触れてくるのを感じてみます。
一つのタッチのなかには、「触れている」と「触れられている」が同時にあるのです!
それを行ったり来たりしてみることもできます。
そしてそれに慣れたら、
「触れている」と「触れられている」の両方に同時に意識を向けてみましょう。
どんな感じですか?・・
また違った感覚に開いていけるかもしれません。
こんどは少し圧をかけて触れることをしてみましょう。
腕のチカラでぐいぐい押すのではなくて、
できるだけ体重を預けるように、らくに触れていきます。
昨夏のスペインでのコースでAnubuddhaの英語を聴いていたら、
ある日ふと「Lean(もたれる、寄りかかる)」という言葉が
しょっちゅう使われていることに気づきました。
面白いもので、一度気づくと、Lean in 、Lean out 、、本当にたくさん聞こえてきます。
腕や手のチカラだけではなくて、脚や腰からやってくる動きを大事にしていることが分かります。
そんな風にゆっくりと太ももに寄りかかっていくと、
太ももの側から押し返すような動きが起こることに気づくかもしれません。
Anubuddhaはそれに気づいて!と言います。
「押し返してくる動きがあるよね。
それを受け取って、ダンスをするように触れるんだ。
そう、コンタクトダンスみたいに。
コール&レスポンスするように。」
タッチは、触れている側の一方的なものではないのですね。
触れているからだの奥深くに呼びかけ、動きを誘い、
それに応答していくインタラクティブなダンスです。
触れられる人にとっては、タッチしてくれる友達の誘いをきっかけに、
さまざまな感覚に開き、
自分のからだの思いもかけないレスポンスを内側から見ていくアドベンチャーです。
楽しそうでしょ。
そんな風に触れ、触れられることで、さまざまなARUNマジックが起こっていったりします。
これは自分一人でもできます。
ラサタとカマラのARUNオンラインに参加された方はよくご存知ですね。
そうでない方も大丈夫、とてもシンプルなことです。
今日はよかったら、ちょっとの時間でも、自分の手で自分に触れてみて、
そのとき起こるダンスに委ねてみませんか。
愛をこめて アディプリヤ